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マンスリーメモ 第17回 「建築物の安全性確保のための建築基準法等の改正と施行」

2008-10-9 by admin

【はじめに】
 今回は、平成7年の阪神、淡路大震災から、昨今世間を騒がせたマンション耐震強度偽装事件を経て、平成18年度の建築基準法等の改正、今年の施行までの推移と内容をみていきます。この建築基準法等の大まかな改正を認識しておくことは重要です。
なぜなら、身近なところでは各人の自宅の購入,建て替えから、不動産の資産有効活用としての、アパートやマンション経営など建築に関わる事案も考えられます。

 【建築基準法等の改正内容】
 1、建築確認・検査の厳格化】
 まず安全性の確保という意味において、構造計算適合性判定を受けることが規定されました。これは、ある一定規模以上の建築物の確認申請をする際に、市区役所等や民間の審査機関が審査を行ったうえで、改めて、構造に関する専門知識を持つ判定員が所属する機関で再審査を行うというものです。改正された法律の施工日は平成19年6月20日で、構造計算適合性判定は、同年6月20日建築確認申請受付のものから適用されます。
 具体的には、木造であれば高さ13m超、または軒の高さ9m超、鉄筋コンクリート造であれば高さ20m超等といった「一定の高さ以上等の建築物」について、新設される専門家による指定構造計算適合性判定機関の審査が義務ずけられることになります。要は、構造設計計算に関して、二重のチェックが行われることになります。
また、設計上では構造計算の基準は満たしているが、実際の施工過程での施工不良の問題も解決しなければならない。平成10年の建築基準法改正で中間検査制度が導入されたが、中間検査制度が必要な建物は、特定のものに限定していました。今回の改正により、3階建て以上のマンション等の共同住宅については中間検査を義務ずけることになりました。
 2、指定確認検査機関の業務の適正化
 前述しましたが、耐震強度偽装が確認された物件で一部の民間の指定確認検査機関のチェックの甘さが露呈し、指定要件の強化や特定行政庁による指導監督の強化が図られることになります。
 3、建築士等の業務の適正化および罰則の強化(建築士法改正など)
 耐震強度偽装事件を受け、改正前と比較して厳しい懲役刑の罰則が科せられることになりました。また、確認申請書等に担当した全ての建築士の氏名等の記載を義務ずけることになりました。
 4、住宅の売主等の瑕疵担保責任の履行に関する情報開示
 耐震強度偽装事件では、売主に資力があり、売主側による建て替えや契約解除等が出来ればこのような事態でも、ある程度購入者を救える手立てはあったとかんがえられます。しかし売主に十分な資力がなくても、重大な瑕疵が発生したときに、その瑕疵担保責任を履行するための保証保険契約に加入していれば、購入者が救われた余地はあっつたであろうと思われます。そこで、宅建業法の改正により、宅地建物取引業者に対し、宅地または建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関する保証保険契約の締結等の措置を講ずるかどうか及び講ずる場合の措置概要の説明;さらに当該措置の内容を記載した書面の交付を義務ずけることになります。また不動産取引の際に重要な事項の不実告知の場合の罰則も強化されます。
 今後の対応として、売主等は住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定により、10年間の瑕疵担保責任が義務ずけられているが、今年の通常国会にて、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律が可決成立しました。
【まとめ】
 安全性の確保という意味では上記改正はエンドユーザーである購入者のためになるとかんがえられます。ただ、構造計算適合性判定や瑕疵担保保証保険等にかかるコスト増によって、最終的にはエンドユーザーに負担のしわ寄せがこないことをのぞみます。同時に十分な機能を果たして安全性の信頼回復と確保が図られることをせつに希望いたします。

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